LINEの通信自体は**「Letter Sealing」**という非常に安全な仕組み(エンドツーエンド暗号化)で守られています。これにより、LINEの運営会社ですら、サーバー上にある私たちの会話内容を理論上見ることはできません。
しかし、それでも会話が他人に知られてしまうケースは存在します。そのほとんどは、技術的なハッキングよりも、スマホの管理や設定、人間関係といった身近なところに原因があります。
具体的に「どんな時にばれるのか」を、可能性が高い順にご説明します。
1. スマホ本体の管理が原因のケース(最も多い原因)
物理的にスマホを見られてしまうケースです。
スマホのロックをかけ忘れる、パスコードが単純
最も多い原因です。ロックされていないスマホを少し置いた隙に見られてしまいます。「0000」や誕生日などの単純なパスコードも危険です。
ロック画面に通知内容が表示される設定になっている
スマホがロックされていても、LINEの通知でメッセージの内容がそのまま表示される設定だと、ロック画面を覗くだけで会話の一部が読まれてしまいます。
覗き見(ショルダーハッキング)
電車内やカフェなどで、後ろや横から画面を直接覗き見られるケースです。
他人にスマホを貸したとき
「電話だけ貸して」と言われても、他のアプリを操作されてしまう可能性があります。
PC版やiPad版LINEにログインしたまま離席する
会社のPCや家族共用のタブレットなどでLINEにログインしたままにしておくと、他の人に見られる可能性があります。
2. 人間関係や操作ミスが原因のケース
自分や相手の操作によって、意図せず漏れてしまうケースです。
会話の相手が漏洩させる(スクリーンショット・転送)
あなたが信頼している会話の相手が、トーク画面のスクリーンショットを撮って他の人に見せたり、メッセージを他のトークルームに転送したりする可能性は常にあります。これはLINEの機能では防ぎようがありません。
「トーク履歴のバックアップ」の管理不備
トーク履歴はiCloudやGoogleドライブにバックアップされますが、そのApple IDやGoogleアカウントが他人に知られていると、そこから復元されて見られる可能性があります。
相手のスマホが安全でない
あなたのスマホが安全でも、会話相手のスマホがロックされていなかったり、ウイルスに感染していたりすれば、そこから情報が漏れる可能性があります。
3. アカウント乗っ取りが原因のケース
悪意のある第三者に、あなたのアカウント自体を乗っ取られてしまうケースです。
偽のログイン画面(フィッシング詐欺)
宅配業者や有名企業を装ったSMSやメールに記載されたURLをクリックし、偽のLINEログイン画面にIDとパスワードを入力してしまい、アカウント情報を盗まれるケースです。
パスワードの使い回し
他のサービスで使っているIDとパスワードをLINEでも使い回していると、そのサービスから情報漏洩があった場合にLINEアカウントも危険に晒されます。
認証番号を教えてしまう
「友人のアカウントが乗っ取られた」などと騙されて、SMSで送られてくる4桁の認証番号を教えてしまい、アカウントを乗っ取られる手口です。認証番号は絶対に他人に教えてはいけません。
対策としてやるべきこと
スマホ本体に必ずパスコードや生体認証(顔・指紋)でロックをかける。
LINEアプリ自体にもパスコードロックを設定する。(LINEの設定 → プライバシー管理 → パスコードロック)
ロック画面の通知でメッセージ内容が表示されないように設定する。
身に覚えのないログイン通知が来たら、すぐにパスワードを変更する。
SMSで送られてくる認証番号は、誰に頼まれても絶対に教えない。
最も重要なのは、LINEのシステムを過信せず、ご自身のスマートフォンとアカウント情報をしっかりと管理することです。